病院の廊下を歩く彼の背中を、どうしてもまっすぐ見られなかった。 息子の友人だとわかっているのに、あの若さと無邪気な笑顔を目にするたび、胸の奥がざわついて止まらなくなる。 去年の秋、事故で入院した息子を見舞い、偶然一緒にな……
病院の廊下を歩く彼の背中を、どうしてもまっすぐ見られなかった。 息子の友人だとわかっているのに、あの若さと無邪気な笑顔を目にするたび、胸の奥がざわついて止まらなくなる。 去年の秋、事故で入院した息子を見舞い、偶然一緒にな……
平日の昼、彼とばったり会ったとき、「ごはんでも行こう」と誘われた。 軽い気持ちで「奢ってくれるなら」と笑って返したけれど、心のどこかでこの先の展開を期待していた。 車に乗って、見慣れない道に入ったとき、予感は確信に変わっ……
あの夜のことを思い出すと、今でも胸の奥がざわめく。 夫が出張で家を空け、子どもも実家に預けていた夏の、あの蒸し暑い晩。 気づけば、私は同じマンションに住む若い男性を自分から家に誘っていた。 「今日は暑いですね」と、エレベ……
静かな夜に、私はふと一人で飲みたくなった。 理由なんてなかった。息子は恋人の家に泊まりがけで、夫はとうの昔に家を出ていった。誰も帰ってこない家の中で、テレビをつけても音ばかりが虚しく響く。鏡に映る自分の顔は、思っていたよ……
あの夜のことは、いまだに鮮明に覚えている。 送別会が終わって、車に乗り込んだ時点で、私はもう自分を止められなくなっていた。 酔いのせい——そう思い込みたかった。でも、あの子の真っ直ぐな目に見つめられた瞬間、胸の奥で何かが……
会社を辞める前日。 送別会で飲み過ぎた私は、同僚たちの冗談混じりの空気に浮かされていた。隣にいた彼——入社2年目の、少し不器用で真っ直ぐな後輩。あの子の視線が、ずっとこちらを追っていたことに気づいていながら、見なかったふ……
「もう女として見られることなんてないのかな…」 そんな寂しさと渇きが、私を出会い系の世界へと向かわせた。本当はダメだと分かっていた。41歳、夫は同じ教師で、子どもは思春期。専業主婦となり、女としての時間を置き去りにしたは……
あの一夜を越えれば終わるはずだった。そう信じていたのに、気づけば私は彼を求め、彼の指先ひとつで蕩けてしまう身体に変わっていた。 息子の同級生、ただの年下の童貞だったはずの彼が、今は私を虜にしている。 昼間の家。夫の匂いが……
私はアラフォーの既婚女性。今でも自分を「人妻」と呼ばれることに少し背徳感を覚えるけれど、あの夜の出来事を思い出すたびに、理性よりも身体が疼いてしまうのだから仕方がない。 きっかけは息子の同級生たちが我が家で開いた学祭の打……
あの日、私は確かに母親である自分を捨て、一人の女として生まれ変わってしまったのだと思います。 それまで十数年、夫とは義務的な性交があるだけで、心も体も満たされることはありませんでした。息子のために生きている、そう思ってい……